1.メタ思考モデルの構成概要~SimpleWizeの基本は「4つの領域」にある

「思考」には「思う」と「考える」がある
記憶には「覚える、思いだす、忘れる」がある
思考の目的は「行う(行わない)こと」である
※資料1参照
メタ思考モデル「SimpleWize」の概要は導入編に譲り、この章ではメタ思考モデルの基本的な考え方を定義とした理論構造をもとに解説します。何故定義が必要になったか、理論構造にしたのかからについてお話しします。
2通りの思考
人間の思考には2通りの思考があります。「思う」と「考える」の2つで、日本語では双方を合わせた熟語が「思考」となり、極めて明快です。「思う」は内発的、自発的に行われます。「考える」は外発的、他発的となります。
「他発的」は自分以外の他者からの刺激で考えることを意味します。一人で外部との接触がなくても「思う」ことはできますが、「考える」ことは自分一人ではできません。このように断定すると「そんなことはない」と否定する人も多いでしょう。
外部要素が全くないまま一人で考えるのは「思いを深める」「考えを深める」となります。一人で思ったこと、考えたことを、さらに熟慮、熟考することを「深める」で表します。
このように「思う」と「考える」を分類することは難しいです。分類することに意味があるのかというと、答えは「あります」です。この後に説明していきますが、普及型AIの登場により、AIは「思う」ことはできませんが、「考える」ことができるようになっています。
思うと考えるの表し方
「思う」と「考える」を分けたからといって、どちらかに偏ることはありません。「思う」と「考える」を交互に行ったり、同時に行ったりするのが一般的です。異なるのは「思う」と「考える」のバランスが人それぞれ異なったり、状況によって変える能力が人間には備わっています。特に日本語の敬語の使い方は、日本語話者でも間違うことがあります。
「思う」や「考える」の表現には「深める」の他にも「広く」「前向きに」「重く」などがあります。これらの表現は、上下、前後、重さ以外にも、速く、ゆっくりなど時間経過でも表されます。最近では、言葉遣いが短くなり、非公式な言葉遣いも多く、考えを表しているのか、思っていることを表しているのかが分からなくなってきました。
これを「言葉の乱れ」と批判する人もいますが、言葉の乱れよりも、思考の乱れに原因があるのではないでしょうか。AIの言葉遣いは丁寧ですが、よく聞くと、言っていることは当たり前のことが多いこともあります。「思う」も「考える」も言葉遣いによっても左右されることがわかります。
インサイト、思考、記憶の領域に
このようにして「思う」と「考える」を分けて考え、「思う」と「考える」を行っている頭脳の使い方が異なるのではないかという仮説をたてました。「思う」と「考える」を行う場所、物理的な場所ではなく概念的な場所の違いがあり、それぞれの場所を「領域」とし、思う場所を「インサイト領域」と考える場所を「思考領域」としました。
このように分類した時に「思う」と「考える」の変換は、それぞれの領域で行われていると考えるのが自然です。「自然に考える」という表現は「思う」と同じことです。なぜ同じかというと、過去の経験の記憶が思うと考えるを峻別させるからです。ここで前述の領域とは別に「記憶領域」があるのではないかという仮説を立てました。
実際には作業領域、記憶領域のように説明されるのが一般的で、ワーキングメモリーと表します。ワーキングメモリーだけでは長期記憶ができないように、脳には8つの機能に分けられた場所(脳番地)があるそうです。詳しくは「脳科学 脳 番地」で調べてみてください。
行動領域を加えた4つの領域
「思う」や「考える」は、そのあとに再び「記憶領域」に留めたり、アウトプット(出力、表現、行動)に変換されます。私が思ったり、考えたりしたことを、記憶領域にとどめ、文章にする、この最後の「文章にする」がアウトプットです。このアウトプットするときに思考をしていないかというと、そうではありません。
アウトプットをするときの思考は、前述の「インサイト、思考、記憶」とは別の領域だと、現在、この文章を作成しながらも感じています。このアウトプットするときの領域を「行動領域」としました。自分が思ったり、考えたりすることを、うまく表現できない、という経験は誰でもあるのは領域が違うからです。
私はこれらの4つの領域を一度に思い付いたのではなく、自分の体験と周囲の人の行動や経験を観察し、その時間は短くはなく、何年もかかりました。それぞれの領域がどのように変遷していくかを、この後の記事で順番にお話ししていきます。
