人生後半戦って何歳から?

人生後半戦って何歳から?

人生後半戦に限らず「おじさんって何歳から?、高齢者って何歳から?」と決めたがる人がいる。答えは「人によって違う」なのだ。なぜこのような質問がでてくるのだろうか。

 

それはひとえに長生きするようになったからだ。人生が50年の時代には前半後半という区切りなどなく、一生を一区切りにしていただろう。それゆえ輪廻転生の思想が生まれたに違いない。

 

昨今のように人生100年と声高にいう時代には前半戦と後半戦に分けて考えたほうがわかりやすいのだ。人生100年時代だからといって平均寿命が100歳まで延びたということではない。

 

平均寿命から人生後半戦を計算する

 

2021年(令和3年)の平均寿命は男性 81.47歳、女性87.5歳だそうだ。ちなみに簡易生命表によれば80歳男性の平均余命は9.22歳、85歳女性の平均余命は8.60歳なので、平均寿命まで長生きした人はさらに9年は生きることになる。

 

平均寿命は人口の年齢総和を人口数で割った年齢なので、高齢者が多いほど平均年齢は上がる。平均の計算式を思い出せば平均寿命は人生後半戦を計算する基準にはならない。

 

仮に平均寿命から人生後半戦を計算したら男性女性ともに40歳代前半に人生後半戦を迎える。40歳代といえば働き盛り、男盛り、女盛りの年代である。人生後半戦を迎えるには早すぎる。

 

定年・年金・健康保険から考える

 

平均寿命以外にも年齢を基準とした制度、定年・年金・健康保険から逆算して人生後半戦としている節がある。これらの制度は60~65歳が基準になっているので、10歳さかのぼって50~55歳を境に人生後半戦としている。シニアサービスなどもこの年代から始まる。

 

この他にも健康年齢を表す血管年齢・脳年齢・体力年齢などなど枚挙に暇がない。実年齢より集計した平均値と偏差値により位置づけた年齢だ。平均値・偏差値好きの日本人には馴染みやすい。

 

これらはすべて客観的な判断基準ともいえるが、齢をとるスピードは一定ではないし、人それぞれである。ほとんどの人は自分は実年齢よりも若いと思っているのではないだろうか。

 

人生後半戦は一生の後半戦ではない

 

人生後半戦を考えるには、まず人生そのものを考えていなければ後半戦という発想には至らない。次に人生の軸を持たなければ一生の尺度は定まらない。人生で何をしたいかで尺度が決まり、尺度の中間点が人生後半の始まりとなる。

 

例えば、20歳の時に人生を考えて50歳までに社長になろうと思えば、人生後半戦は35歳となる。50歳で人生を考え、80歳までに小説家になろうと思えば65歳からが人生後半戦になる。

 

人生後半戦を年齢から考えるのも1つの方法ではあるが、それは一生の後半戦であって人生の後半戦ではない。自分の人生は自分で考え、後半戦を決めるのも自分自身である。

 

 

S W
「人生後半戦は何歳から?」と聞かれたら、「いまだ道半ば」と
かっこつけて答えるのもよいのではないだろうか。

 

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