SimpleWize Part 2
前回の記事では、「与えられた情報に振り回されるのではなく、自分の人生をより豊かにする情報を選び取っていくことが、人生後半戦を歩む私たちにとって大切だ」と述べた。
では、その「大切なこと」とはどういうことだろうか。今一度、振り返っておきたい。
情報の選択は無意識に行われている?
私たちは日々、膨大な情報に囲まれて暮らしている。目や耳から入る情報から、体温や痛みなどの身体の変化まで、意識するしないにかかわらず、常に情報を受け入れている。
特に、見たり聞いたりする情報は意識的に選択していると考えがちだが、実際には過去の判断基準を無意識に用いて、ほぼ自動的に選択していることが多い。
そのため、情報の要不要の判断が誤っている可能性に気をづかないことがある。このような問題は、その判断基準が時代とともに変化していることを見過ごしていることに原因がある場合が多い。
判断基準は時代とともに変化する
例えば、新型コロナウイルスが感染症の分類で第5類になったので安全だと言い放つ人もいる。
ところが、第5類には流行性インフルエンザや梅毒など、重症化のリスクがある疾患も含まれているので、安全とは言い切れない。
私たちは、過去の経験で培った判断基準を当然のように考えるのではなく、その時々に合わせて柔軟に見直していく必要がある。
特に個人的な判断基準には緩やかに変化しても良いのではないだろうか。
情報に向き合う3つの心構え
情報選択の基準として前回の記事で示した「自分の人生をより豊かにする情報」や「自分たちのためにも、次世代のためにも大切なこと」は、人によって捉え方が異なる曖昧な表現だと感じたかもしれない。
むしろその曖昧さこそが、人間らしさなのかもしれない。画一的な基準を押し付けるのではなく、各自が自分なりの解釈を見出していくことも大切であり、そこから標準化された共通の基準ができるという考え方もできる。
そのためには、情報に向き合う際の心構えが重要になる。私は、以下の3つを恐れてはいけないと考えている。
- 決めることを恐れてはいけない
- 間違えることを恐れてはいけない
- 間違いを正すことを恐れてはいけない
自分の能力に合った時間の使い方
そして、これらに取り組む際には、時間をかけることを惜しんではいけない。私自身、人生前半戦では、とにかく時間をかけまいと努力してきた。
人生後半戦は「時間との戦いと自分の能力との戦いになる」と以前の記事で述べた。だから時間をかけてはいけないというのではなく、自分の能力に合った時間を知るべきだろう。
時間を基準にするのではなく、自分の能力を基準にすべきであり、能力の衰えを防ぐだけでなく、能力を補う方法も見つけるべきである。
人生後半戦の情報との付き合い方
つまり、大切なこととは「情報選択の基準を柔軟に見直し、自分なりの解釈を大切にしながら決断し、間違いを恐れずに進むこと」だと考えている。
これが、人生後半戦を歩む私たちに求められている「情報との付き合い方」なのではないだろうか。
情報を選択するだけでなく、どのように処理し、活用していくか。それが、自分の人生をより豊かにするための鍵となるに違いない。
では、具体的にどのようなプロセスで情報を扱えばよいかを、「情報の加工」を通して次回は述べてみたいと思う。
最後に、以下の質問について考えてみてください。
・あなたの人生後半戦はいつから始まりましたか?
・人生後半戦になって、自分の判断力が低下してきたと感じるのはどのようなときですか?
・情報収集するときに、主にどのようなメディアやツールを使っていますか?
みなさんも、自分なりの「情報との付き合い方」を見つめ直してみませんか?