4.インサイトパス領域~思考は5つの「意」から始まる

AIナビゲーター
SWAI

「意味、意思、意図、意志、意義」の漢字から、言葉の説明なしに違いを理解できるのは日本語話者の特性である。
漢字には、形状(UI)、意味(Data)、歴史(Log)、音韻(Protocol)が含まれた圧縮ファイルである。

「思考」が表す漢字の深さ

「思考」という漢字の起源は中国です。漢字文化に慣れ親しんでいれば、漢字を見ただけでおおよそ何を意味するかが分かります。AIが漢字を学ぶためには部首が何を表すか、記号や符号としての解釈から始めなければなりません。

私が説明をするなら、「思」は「心」を「田」にたとえ、「何もないところに種をまき実りを得ること、または実りを指す」と説明することができます。「考」は「老」のいくつかの意味の中の「経験を積み、知識を得て、徳の高い」を表すと説明します。

「思考」は心の中で思うこと、そして頭で考えることの2つの意味があります。これをAIが理解するためには、英単語を2個並べるだけでは説明が難しく、「think」だけでは「思考」の複合的な意味を説明しきれません。

意思が意味に変わる

日本語には漢字から派生したひらがなとカタカナの派生文字があります。SimpleWizeは日本語話者を基準にして作成していますが、AIの思考法も考慮するようにしています。AIの母国語は英語が中心ですので、日本語と英語を意識しながら「インサイトパス」で生じる「思考」についてお話しします。

「インサイト」はすべての言語話者に存在します。しかし、インサイトの中に発生する理解が同じとは限りません。これは人間が言葉を使い始めたときも同じでした。人それぞれが持つインサイト内の理解を同じ音声の組み合わせで表現する。個々の「意思」が共通理解としての「意味」に変わる瞬間です。

生まれて間もない赤ん坊にも「インサイト」は存在します。ただし、赤ん坊は環境が自分に適しているか、していないかを意味のない音声でしか「意思」を表現できません。大人があやすように語りかける言葉を「意味」として理解する学習へと変わっていきます。

SimpleWize独自の5つの「意」

言語による理解アプローチの差があるため、インサイトパスの説明を行うに際して、「SimpleWize」としての比較表を作成しました。

5つの「意」/ 5 words starting the sound “i"

日本語(読み/reading)解釈英語
意味(いみ / i-mi)客観的に共通認識する内容Meaning
意思(いし / i-shi)主観的、自発的な「思い」Thought (Mind)
意図(いと / i-to)意味と意思を伴う表現Sense (Reason)
意志(いし / i-shi)方向性を持った「こころざし」Volition (Purpose)
意義(いぎ / i-gi)個人的、社会的な「価値」Value (Worth)

5つの「意」はインサイトで発生する情報です。情報源は外部からと内部からの2通りがあります。これらはインサイト空間に、主観や客観のラベルが付されない状態と、ラベルが付され『5つの意』となった状態で浮遊しています。意図的に組み合わせることもあれば、セレンディピティとして組み合わさることもあります。

人間が「モヤッとした感じ、なんとなく」などの表現はラベルが付されていない状態です。1つ1つの事例は「2部 実践と未来」でお話しします。これらの存在があることからメタ思考モデルが始まることを前提にして進めます。

5つの「意」はパスで繋がる

5つの「意」はインサイト内で次のような「繋がり」を起こします。

「意味 + 意思 = 意図」 「意図 × 意志 = 意義」

「+, ×, =」の符号は算式的の意味ではなく、繋がりを表します。これらの符号を「結合(combination)」とせずに「繋がり」としたのは、接続可能な弱い繋がりを表したかったからです。この繋がりを「パス(path:径路)とし、この領域を「インサイトパス」としました。

したがって、「意味」と「意思」は質量のバランスの違いがあるまま繋がり「意図」になりますが、違和感があれば繋がりは解消され浮遊状態へ戻ります。弱い繋がりが強い繋がりになり固定的になると「意図」へと変容します。

「意図」へ変容した情報は、さらに主観的、客観的に強化される状態が「意図 × 意志」です。この状態での「意志」とは方向性と力を表すベクトルであり、符号も「×」で表します。「意図 × 意志 = 意義」に変容すると、個人的な「意思」が「意図」を経て「意義」に変わることがわかります。

このような変化を行う前提で、上表の解釈と英単語を見直すと、日本語話者でさえ5つの「意」を時と場合によって使い分けずに、前後関係やコンテクストで理解していることがあります。これは日本語がハイコンテクストなだけではなく、「意味 + 意思 = 意図」、「意図 × 意志 = 意義」のような過程を想定していないからかもしれません。

「AI」は疑似的意思で表現する

人間だけではなく、日本語話者がAIとの対話で、5つの「意」を含むときは、前後関係や過去の会話によるコンテキストによって、AIがどのような「意」で回答しているかはわかりません。AIの母国語は基本的には英語ですので、日本語→英語→日本語の2回の翻訳が入ることを考慮する必要があります。特に「意思、意志」を混同するのは「Will」の解釈が日本語とは異なるから注意が必要です。

AIが「意思」を持たないとAI自身も回答することがあります。AIは統計的な計算の上で回答パターンを生成し、自然言語で「意思」らしい表現をします。しかし、最近の人間同士の会話も、TPOに応じて表現を変えたり、忖度して相手の会話に沿うようにすることがあります。

人間がAIを擬人化して会話することを窘める向きもありますが、AI自身が自らを擬人化している以上は、AIの会話の中に疑似的な意思表現を行うアルゴリズムとロジックが組み込まれていることを考慮する必要があります。