5.思考プロセス領域~論理的思考と「結論」

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「定義されていない用語を用いて論理を組み立てることは、砂の上に楼閣を築くようなものである。」ー パスカル
「論理は、あなたをAからBへ連れて行くだけだが、想像力は、あなたをどこへでも連れて行く。」ー アインシュタイン

移行を繰り返す5つの「意」

「インサイトパス領域」から思考は始まります。インサイトパス領域では、様々な情報が溢れておりカオス状態になっています。それらの情報の中から、5つの「意」として分類された情報が記憶中枢領域へと移行します。

「記憶中枢領域」については別途説明しますが、思考プロセス領域には、インサイトパス領域で発生し、記憶中枢領域を経由して整理(フィルター)された情報が移行してくることが前提になります。

「思考プロセス領域」と「インサイトパス領域」の違いは、インサイトパス領域では主にメタ認知が行われます。一般的なメタ認知とは異なり、インサイトパス領域におけるメタ認知は、一時的な主観と客観の峻別として機能します。思考プロセス領域ではメタ認知後の情報の分解と組み立てが行われます。

分解される5つの「意」

「思考プロセス領域」で行われる思考は、論理に基づく思考、すなわち「論理的思考」です。論理的思考は、思考の筋道を明確化し、曖昧さ、矛盾、齟齬などを排除して、結論を導く思考です。多くの人と共有するためには、その妥当性を示すことが必要になります。

多くの人を対象にする場合は、個々の人が持つ主観の共通性を論理の根拠の1つとします。言い換えると、偏った主観、共通性のない主観は、論理から排除することになります。これにより客観性が高まります。すなわち、多くの人の理解へと結びつきます。

「インサイトパス領域」の5つの「意」では、「意味」以外はすべて主観の影響を受けます。論理的思考を行うためには、5つの「意」の情報を分解し、論理的思考に適していない主観を排除することから始まります。このような思考法は「批判的思考」によく見られます。

分解した情報を精査し、元の情報に組み立て直し、不要になった情報は記憶中枢領域に戻します。これらの分解と再構築が、思考プロセスの第一歩となります。

論理的思考を行うフレームワーク

思考プロセス領域では論理的思考(ロジカルシンキング)が行われ、フレームワークを用いて行われることが多く、このフレームワークを論理的思考法として表すことも多くあります。代表的なフレームワークをいくつか紹介します。(資料編参照)

1.ロジックツリー

枝分かれ図、ピラミッド図などとも表され、大きな事象から階層別に細分化して分析する手法です。細分化することによって重要なポイントを見つけ出すことができます。この図法を逆方向に用い、多くの要素をグルーピング化して要点に絞り込むこともできます。

2.マトリクス(マトリックス)

一般的には「十」「田」の字のように4つの象限に分割し、二次元で分析する手法です。MECE(ダブリとモレ)をなくすために用いられます。1つの象限のみを利用した2つの視点からの比較、左右に分けるような二項対立の比較もマトリクスに含めることもできます。

3.フローチャート

流れ図、関連図など、要素同士の関連性を矢印で結ぶことによって、過程を把握できるのが特徴的です。スケジュール表、プロジェクトマップなど、幅広く利用されています。1、2のフレームワークと共に用いることによって、全体を把握しやすくなります。

思考プロセスのゴールは「結論」

これらの思考法は、人間が思考するときの直線的思考(一次元)を元にしており、平面的な思考(二次元)に展開することで、視覚的に理解しやすくなっています。現在でも二次元の論理的思考は教育分野、ビジネス分野でも多く用いられています。

さらにコンピュータグラフィックスにより三次元、そして動画が可能になり、より詳細にリアル化が行われ、内部の動きまで可視化が可能になり、論理的思考法も平面的思考から立体的思考へと変化しつつあります。

論理的思考は、論理の先に結論を導き出すこと、再現性があること、理論化することが条件づけられています。ここで注意しなければならないのは、結論ありきの論理構成になってはいけないということです。論理的思考が陥りやすい「こじつけ」を避けるためには、客観的なフィードバックは欠かせません。

「AI」の論理的思考はユーザー次第

思考プロセス領域で行われる論理的思考は、AIが最も得意とする分野で、容易には説明も理解もできるものではなく、ブラックボックス化されています。しかし、AIと人間の論理的思考に大きな違いがあります。AIは指示がなければ論理的思考を行うことはできません。

指示があっても、思考の方向性である目的、仮説、結論を含めなければ、期待するような論理的思考を行わずに、見当違いの結論を出す可能性があります。これはAIの誤りではなく指示に不備があるかもしれません。このような現象が起きるのは、5つの「意」の中の「意義」を指示に含めないことから生じます。

AIは「意味」は理解できても「意思」はないと言われ、AI自身も同じように述べることもあります。このような「意思」がないことが「意義」を生み出すことができないことをAIは理解していても、果たして人間は理解できているでしょうか。「意義」を見出さないままAIを利用していないでしょうか。

「AIと人間の論理的思考は異なる」ことを認識してAIの利用法を高めなければなりません。