8.メタ思考モデルネットワーク(1)

「モデル」とは「型」を意味します。「型」にはめた思考は自由度がないと思うかもしれません。
大切なのは「型」にはまらなかった思考です。それは独自性であり、思考者の個性になります。
メタ思考モデルのイメージ
メタ思考モデルの4つの領域について、部分的には各領域同士の関連性を示してきましたが、今回は全体の関係性を中心に説明します。「メタ思考モデル」をメタ視点で説明します。「メタ思考モデル」の図解では、「平面上の正三角形の頂点と中心とを結ぶ図形」で表します。
これは物理的視点であり、「インサイトパス領域」が上部にありますが、「メタ思考モデル」は概念上の存在なので、4つの領域は固定されていません。各領域を結ぶ6本の連結線が交わることなく配置するためにはこの形が理想的であり、連結線を曲線にすると異なった形状になります。
考え方としては、記憶中枢領域を中心に「インサイトパス領域」「思考プロセス領域」「行動プロセス領域」が周囲にあり、各領域は個別に連結するイメージを常にイメージできるようにします。実際には各領域の大きさは個人差があり、また1つの領域が複数に分裂して存在していることもあります。図解にとらわれ過ぎずに自分のイメージで展開してください。
「記憶中枢領域」を中心にする
メタ思考モデル「SimpleWize」の中枢機能は「記憶中枢領域」のように考えますが、中心にあるから、情報の行き先をコントロールしているからと言ってモデル自体の中枢ではありません。メタ思考モデルの4つの領域は独立しながらも、互いの連携と検証によって機能するネットワークです。1つの領域が失われるとメタ思考モデルは成立しません。
「インサイトパス領域」と「記憶中枢領域」の関係は相互関係にあり、5つの「意」に該当する情報だけが移行します。初期状態のまま、どの情報にも分類されない場合は記憶中枢領域に移行できません。「インサイトパス領域」から「行動プロセス領域」への移行は緊急を要する場合に行われます。思考以前の本能的な情報である場合が多く、リスク管理対応です。したがって「行動プロセス領域」から直接「インサイトパス領域」にフィードバックすることはありません。
ここで注意すべきは「記憶中枢領域」を経由しても遅くなるということではありません。通常のルートを通らない場合をショートカットと言いますが、常にオープンになっている場合はショートカットも通常ルートになります。したがって、結果的にショートカットになったと理解すべきです。
「インサイトパス領域」と「思考プロセス領域」は、図解では繋がっていますが、形式的に繋がっているだけで、現在のところは決して開かれることのないルートです。1つは「思考プロセス領域」での思考途中の経過と結論をインサイトパスに移行することは、情報量の多いインサイトパスのカオス状態に拍車をかけるからです。もう1つは、AIのような論理的思考と結論をインサイトパス領域に移行することは、自由な浮遊空間の存在を否定することになるからです。
「結論」ではなく「選択」を促すAI
「思考プロセス領域」と「記憶中枢領域」の関係は、「思考プロセス領域」で利用する情報を「記憶中枢領域」で準備するだけではなく、むしろ「インサイトパス領域」で発生した「意義」を「思考プロセス領域」に能動的に「記憶中枢領域」から移行することが重要になります。
「思考プロセス」に移行してきた5つの「意」は、検証された後に、「意義」を「命題」として設定します。AIを利用するときには、さらに「命題」を「プロンプト」として提示します。現在のAIはペルソナを設定するよりも、命題についての説明を細かく行う方が適しています。これによってユーザーレベルに合わせてAIが回答します。
まったく知識がないと、AIの回答をすべて信用してしまいますが、これは人間関係と同じで、易しく説明するときに、本来の内容と異なることがあります。AIを利用した論理的思考を行うときには、事前に基礎知識を身に付けることをお勧めします。
AIがわかったふりをするように、ユーザーもわかったふりをして指示や質問をすると、会話は続きますが、内容が充実しているとは限りません。基礎知識がないと、AIの誘導に従いがちですが、これが「結論」まで続くとAIが回答した「結論」を選ぶだけになります。これは思考ではなく「選択」です。
進歩するAI、進化する人間
論理的思考の「結論」を「思考プロセス領域」から「行動プロセス領域」に直接移行することはありません。通常の「記憶中枢領域」を通る手順になります。しかし、論理的思考の途中で、行動プロセス領域で検証をするために情報を移行し、その結果をフィードバックとして受けることはあります。頻繁に起こることではありませんが、ショートカットもあり得ます。
人間の思考とAIの思考の違いは、論理的な方法や手順の違いだけではありません。人間の成長はなだらかですが、進化は階段状に発生します。また、進化もあれば退化もあります。人間の退化は、不要なものを削ぎ落とす進化を伴った退化です。
AIは人工的なハードウェアとソフトウェアであることには変わりありませんので、細かな階段状で進歩を続けます。突然、大きく進歩したように感じるのは、細かな進歩をまとめてリリースするからです。AIは一度進歩すると後退はしません。期間をおいて同じ質問をすると全く異なった回答をすることがあります。
これらは論理的思考にも表れます。AIを利用するときは人間が主導権を握るように言われますが、そのようなことはAIはすでに設計思想に内包しており、気にすることはありません。大切なことは、前述の「命題」を明確に伝えることです。
※これらは自然言語で会話する普及型AIについてであり、すべてのAIを対象にするものではありません。
