メタ思考モデル~始まりは「思考はどこから?」だった

「facebook」の社名が「META」になってから、最近では、メタ認知、メタデータのように「メタ」をよく耳するようになった。
ネットではよく使われていたけれど、ビジネスでは気の利いた言葉として使われている。「メタ」にはどういう意味があるのだろうか?
「メタ」は特別な言葉ではなかった
「メタ思考」の「メタ」が「高次の、超越した」の意味で使われています。「メタ」の語源は古代ギリシャ語まで遡る必要がありますが、古代と現代とはあまりにも環境が異なりますので、現代的な意味を考えると「物事を俯瞰して全体を見る、外側から客観的に見る」という意味で使われています。
このような「俯瞰する、客観的に見る」は、新しい物事の見方ではなく、「木を見て森を見ず」のように時代に合わせて表現を変えて使われています。その中の1つである「鳥の目、虫の目、魚の目」は視点を変えることを表している表現です。
「メタ思考」とは、「一段高い位置から見る」と説明されますが、全体を見る、視点を変えてみる、あるいは次元を変えてみるといったように理解するのが適切です。「一段高い位置」で上から見ることを、階層化(ヒエラルキー)を意識させるように使うこともあります。「高い」が高レベル、「低い」が低レベルではなく、あるのは「視点の違い」です。
「VUCA」はVUCAでなくなるのか
「VUCA」で表される不確実性の高い時代も、過去の視点から見るのと未来の視点から見るのでは異なるかもしれません。歴史は過去の出来事の繰り返しのように語られることもあります。しかし、パラダイムシフトが起きるときは、その前後の世界観が変わってしまいます。VUCAとはそのシフトの前兆かもしれません。
「メタ思考」は「メタ認知」すなわち視点を変えることによる気づきから、新たな思考を始めることです。「視点を変える、新たな思考」と言葉だけではイメージしにくいので、「オズボーンのチェックリスト」を検索、またはAIに聞いてみてください。「メタ」という言葉は使われていませんが、視点を変えるという意味を理解しやすくなります。
「メタ検索」は、複数の検索エンジンを用いて検索した結果を、1つのサイトで表示する仕組みです。考え方によっては、AIはLLMによって得た膨大な知識をメタ検索して、人間が使う自然言語で表示しているとも言えます。仕組みは全く異なりますが、AIは人間のメタ検索の役割を果たすこともできます。
メタ思考は人によって異なるのか
視点を変えて、新たな思考を行う「メタ思考」は、人それぞれ異なるので、思考結果も異なります。個人的な結果を得たい場合は、異なることが個性につながります。この結果に対してさらにメタ思考を行い、共通性を見出すことができれば、それは一人の思考結果ではなくなります。
人それぞれバラバラなメタ思考を行うのではなく、ある程度の型にはめる、モデルケースに当てはめることで、共通認識(メタ認知)を前提としたメタ思考を行うことが可能になります。この思考法が「メタ思考モデル」です。私が提示するのは私のメタ思考モデルであり、「SimpleWize」と名付けました。
「SimpleWize」は「思考はどこで、なにから始まるのか」という単一の視点から考え始め、視点を変えることで、「4つの領域で思考が行われるのではないか」という考えを基にしています。最初は「思考→記憶→行動」から始めましたが、自分の思考は起点にないこともあり違和感があったのです。
メタ思考は記憶力と関係があるのか
違和感はやがて、コンピューターを日常的に使うことにより、「入力→処理→出力」という理解へと変わりましたが、これも違和感がありました。様々な入力と出力があり、時間をかけて継続できるのは「記憶」の存在を抜きにしては考えられません。 確かに頭のいい人とは、記憶力が良いというイメージはあります。
記憶力が良い、すなわち「覚えたことを忘れない」という事実は、記憶に「覚える」と「忘れる」という機能があることの証明です。それだけではなく「思い出す」があって、記憶力が成立するのです。「覚える、思い出す、忘れる」の3つの繰り返しが、思考の始まりではないかと考え、「思考」を中心にしたモデル化を行いました。
記憶は頭脳で行うのだから、脳の仕組みを調べたのですが、生物学的、医学的な脳の仕組みは、私には苦手な分野で覚える気になれませんでした。そうしているうちに、覚える気の「気」とは何だろうと新たな視点に気づいたのです。「気」は気持ちなのだから、考えるというよりは思う、感じるに近いのではないかと考えたのです。
インサイトの発見がメタ思考の始まりに
この「思う、感じる」を中心にした思考を「インサイト」と名付け、現在のSimpleWizeでは「インサイトパス」に発展させました。この段階で「記憶」「インサイト」をメタ思考として配置しましたが、この2つのつながりを明確にはできませんでした。
このようにして順番に考え、仕事や教育の分野で使われる論理的思考を「思考プロセス」として加え「インサイト→記憶→思考プロセス」の直線的な思考の流れを作成しました。しかし、まだ何かが欠けていたのです。
それが「行動する時にも瞬間的に考えている」という事実です。これが「行動プロセス」につながりました。こうして、インサイト、記憶、思考プロセス、行動プロセスで成り立つ「メタ思考モデル」の原型となりました。
