(資料)5つの「意」~ SimpleWizeとしての理解及び日英比較
インサイトパスを理解するには5つの「意」の理解が必須です。「意思・意味・意図・意志・意義」が心の中で、頭の中で変容します。一方でAIは「意味」しか持てません。
| 日本語 | SimpleWizeの定義 | 英語 (Range) | 翻訳・理解の鍵 |
| 意味 | 客観的な共通理解 | Meaning | 語句の内容を共通理解としているか |
| 意思 | 主観的な「思い」 | Thought (Mind) | 感覚的、言語表現できない内なる心象風景も含む「モヤっとした感じ」 |
| 意図 | 意思+意味 | Sense (Reason) | 意味に対して、なぜそう思うかを説明できるか |
| 意志 | 方向性を持った「こころざし」 | Volition (Purpose) | 意図を決意として強化するエネルギーがあるか |
| 意義 | 個人的、社会的な「価値」 | Value (Worth) | 目的が明確であり、重要性が含まれているか |
SimpleWizeは日本語話者の人間を対象にした構想から開始した。思考メディアが人間に限られていた時代から、人間の思考を部分的に代替可能なAIの登場によって、SimpleWizeにもAIの思考を加えることにした。しかし、現実的な問題として、人間の自律的な意思とAIの疑似的な意思への対応を行う必要に迫られた。
AIの疑似的な意思とは、論理的な統計確率上の計算結果であり、人間の内発的な意思とは異なる。また、日本語には語音で「意思」を「ISHI」と発音し、類似する意味の「意志」がある。これは漢字(kanji)では区別できるが、語音では区別できない。
「意思」が自然発生的な「思い」をすべて表し、「意志」は方向性と力学を伴った「志(こころざし)」を表す。AIがこの違いを理解するには統計確率的な選択で判断するが、「意思(思い)」の一部が「意志(志)」に変わる発生過程を考えると必ずしも適切な判断ができない。
これをハイコンテキストとローコンテキストと言語学的な違いで説明することはできても、解決策としては文脈で判断することになる。同じ文脈でも日本語話者とAIの理解が異なるのは、AIの開発言語が英語であり、「日本語→英語→日本語」の2回の翻訳が生じる。
このため、「意思(思い)」と「意志(志)」との違いを考慮せずに翻訳されてしまうことがある。これは日本語に限ったことではなく、英語話者以外がAIを利用する時に理解しておくべきことである。さらにローカル英語をすべてAIが理解しているとも限らない。
例えば、日本の学校教育では長らく「be going to」を意思未来、「will」を単純未来としてきたために、AIが「意思(思い)」を「will」と翻訳することに違和感がある。日本語話者が英語でAIを利用したとしても、根底にある理解と共通認識をAIが持つとは限らない。
SimpleWizeでは「意思+意味=意図、意図×意志=意義」として、意思の変化課程を表している。これをAIに正しく伝えるために「5つの意」の対応表としたのが上表である。この表の内容を定義に含めなかったのは、ハイコンテキストな日本語話者同士でも共通の理解が必要だからである。
柔軟性の高い日本語は、視点を変えれば曖昧と感じることも多々ある。個人差も「5つの意」にはあるので、不安定で固定的ではない事項を普遍性の高い定義とすべきでないと考え、補足資料とし、SimpleWizeの共通認識として表した。
