人生後半戦の不安を解消するためには~答えを求めるよりシンプルに考えることが大切

SimpleWize Part 2

 

前回の記事では2つのことをお話しした。
1.人生後半戦はリミットがある(時間との戦い)
2.人生後半戦に能力は低下する(能力との戦い)

友人知人からの『いつから人生後半戦になったと思ったか?』という問いかけがブログを始めるきっかけになったことはすでにお話しした。実は続きがある。

 

人生後半戦になったらいろいろと考えなければならないのか

 

問いかけに対して「なんでそんなことを聞くんだ?」と、私も問いかけなおした。その返答が「人生後半戦になったらいろいろと考えなければならないじゃないですか」というものだった。

「人生後半戦になるまでなにも考えてこなかったわけじゃないだろ?」と。もう一度、問いかけなおすと「そりゃそうですが・・・ブツブツ」という言っていた。

勤めていた会社で「シニア研修」があったそうで、そのためのレポートを書くためのネタ探しに来たということがわかった。困ったときやってくる友人知人ではあるが、30分という時間を決めてつきあった。

 

「やりたいこと、できること、やらなければならないこと」

「人生後半戦にやりたいことはあるの?」と私から切り出しなおした。「やりたいことはあるけど、人生後半戦だからというわけではないし・・・ブツブツ」といくつか話し出した。

次の私からの質問は「その中で、確実にできることはある?」と聞いた。「できることは・・・ブツブツ」とやりたいことの他にもいくつかあげてきた。

「やらなければならないことは?」と続けて質問したときに、彼の顔色が変わった。「実はそれなんだよな」と真面目な顔でこちらを見て話しだした。「体調が少し悪くて・・・ブツブツ」

知りあった頃よりも体重も増えているようだし、苦労も多いことは話し方からもわかった。「ブツブツ」と実際に言っていたわけではないが、話しぶりが頭の中で整理されていないように感じた。

 

人生後半戦を考えるときにどのような順番で考えるか

 

今回の記事でお話ししたいことは、「やりたいこと、できること、やらなければならないこと」の話ではない。考えるときの手順の話である。

なにかを考えるときには、誰でもいくつかの手順で考える。まず、考える前に「思いつき」が頭の中に浮かぶ。「思いつき」は大切だが、考える手順には入らない。

思いつきはゼロから思いつくこともあれば、過去に得た情報を思い出す場合がある。私の場合は後者のほうが圧倒的に多い。さらに思いつきはそのままにしていれば忘れてしまう。

忘れないために、よくとる方法が「メモ」である。ところが、後で見直すときに、メモが見つからなかったり、メモしたことさえ忘れてしまうこともある。

忘れてしまわないようにするためには、時おり、メモを整理することが必要なのだが、この整理をする作業を怠ってしまうのが、「考える手順」の妨げになってしまう。

つまり、人生後半戦を考えるときには、思いつきをメモとして残すこと、メモを分類することの2つが、考える最初の手順となる。

 

「考える手順」とはメモ(情報)の分類と体系づけ

 

実際にはこのような手順を頭の中で行っている。人生後半戦になると記憶力が落ちたと嘆く人もいるが、必ずしも記憶力が落ちたのではなく、頭の中で考える手順を行えなくなっていることもある。

頭の中で行えなければ、紙にメモを残し、分類用のファイルに入れて、必要な時にそこから探せばよい。ただ、この方法では時間も労力もかかるし、なにより面倒くささが先に立つ。

スマホのメモアプリを使えば簡単な操作で済むのだが、電話やメールしか使っていない人にとっては、それすら面倒くさいと感じるのだろう。

こうなるとメモが面倒くさいのではなく、考えること自体が面倒くさいのだろう。言いたくはないが、考えることを怠ることは、老化を促す原因の一つになっている。

考えることを怠り続けると、軽度認知障害(MCI)から認知症へとつながってしまう。頭の中だけで考えるのではなく、考える手順を繰り返すことで老化を防ぐこともできるのではないだろうか。

この段階では「考える」とはメモと分類という作業である。作業を頭の中だけで行うか、道具を使うの違いだけである。

 

シンプルに考えるには分類を少なくすること

 

現代は情報過剰の時代である。次から次へとあらゆるメディアを通じて情報が届く。過剰だからと言って最初からシャットダウンしてしまう人もいるが、取捨選択する人が多いだろう。

取捨選択も考える作業の1つである。取捨選択した情報を分類せずに保管する人もいれば、分類して保管する人もいる。いずれの場合も保管場所に収まらなければ忘れてしまうことになる。

情報には時間が経っても色あせない普遍的な情報と、時間が経てば役に立たない一時的な情報がある。情報を集めるだけでなく、保管から保存に移し替えなければならない。

頭の中では情報を保管と保存を分けているつもりでも、人生後半戦ともなれば保管する量が少なくなる事実を受け入れなければならない。つまり、定期的な整理が必要になるのだ。

ここで注意しなければならないのは、保管する場所が不足したからといって、保管場所を増やす、つまり分類をむやみに増やしてはいけない。これは単に整理する情報量を増やしていることになるからだ。

このブログのテーマの1つに「シンプルに考える」がある。シンプルに考えるためには、分類をできるだけ少なくして考えることが重要なポイントになる。

 

保管情報の分類は少なく、保存情報はひとまとめにするのが理想的

 

私の場合をお話しすると、保管情報の分類の数は2つは少なすぎ、3つか4つが適切で、5つ以上にはしないと決めている。分類が多いと迷う時間が増えるだけで、分類を多くしなければならないときは階層化する。

2つに分類しようとすると、どちらかに決める必要があり、分類数が多いとき以上に迷う時間が増える。また、分類後に見直すと片方の分類ばかりが多くなるという経験上からのアドバイスである。

2つに分類しなければならないときには、「どちらでもない」という保管場所を用意して迷う時間を減らして対応した。結局、「どちらでもない」を分類を整理すると分類の仕方が間違っていたことがわかる。

前述の「やりたいこと、できること、やらなければならないこと」も、最初は他にも分類があったのだが1つにまとめた。シンプルに考えるとは、分類した中から何を選ぶかということになる。

そして、さらに重要なのは保管情報から保存情報へのグレードアップである。保管情報がメモのカードなら、保存情報はノート1冊にまとめると例えることができる。

 

時代にあった道具を用いて、時代に合った方法で考える

 

今回の記事でお伝えしたかったことが3つある。
シンプルに考えるためには、メモする
・3つか4つに分類して保管する
・保存は分類せず1つにまとめる

どのような分類が適しているかは人によって異なる。形式的な分類や他の人の分類を参考にして、自分独自の分類を行ったほうがよい。

人生後半戦なら、老後の3Kといわれる「お金・健康・人間関係」で分類したり、ToDoリストのように「今日中、2~3日中、今週中」のような分け方もある。

保管で使うメモは付箋紙やカードが適しているし、保存はノートや手帳が適している。デジタルで行うなら、メモならGoogle Keepがおすすめだ。保存用のデジタルノートはOSにもよるが、Keepから転送できるものが良いだろう。(別記事で紹介する予定)

人生後半戦になったら、人生を豊かにするためにも、時代にあった道具を用いて考えるようにしてみてはどうだろうか。