物理的な空間としてインドア(屋内)とアウトドア(屋外)があります。物理的な空間のほかに実体のない仮想的な空間があります。ライフスタイルは空間デザインを意味することが多いのですが、もう一つの空間として仮想的な空間があります。
最近では仮想現実(VR:Virtual Reality <バーチャル・リアリティ>)が代表的な仮想空間になっていますが、頭の中で考えることでも仮想空間を作り出しています。
例えば、道に迷ったことは誰でも経験があるでしょう。目的地への道順・目印という情報を頭の中で整理して向かっているとき、頭の中には仮想空間ができています。情報が誤っていたり、情報の組み立てが誤っていると目的地と異なった場所を仮想空間に作り道に迷ってしまうのです。
想像と妄想は仮想空間の入り口
頭の中に描く想像や妄想は現実と一致してるとは限りません。想像や妄想を現実と一致させるための「力」が必要になります。「言行一致」とは「言うことと行動が一致していること」をさします。言行だけでは実態はありませんが、行動が伴って実体となります。前述のVRなどはコンピューターの「力」を使って実体に近づけています。
人間は誰でも頭の中に仮想空間を持っています。頭の中の仮想空間は人それぞれ異なります。同じ話を聞いても頭の中に同じイメージや話のつながりが浮かぶとは限りません。また情報は記憶できても構成や関連性まで記憶していないと、情報を得た時とは別のイメージで再構成してしまいます。
人間は情報をもとに想像と記憶で仮想空間を構成できる力が他の生物と異なることで進化しました。情報力・想像力・記憶力とこれらを総合する構成力が人間には備わっています。ただしこれらの力は経験によってバイアスがかかるという弱点があります。
人生後半戦になると「情報力・想像力・記憶力・構成力」が経験による習慣や慣習によって歪められてしまい、さらに歪められたイメージが頭の中の仮想空間にできてしまいます。
人生後半戦に空間の再構成を行う
物理的な空間としてのインドアとアウトドア、仮想的な空間としての情報空間、これらの空間は私達の生活だけでなく私達自身の肉体や思考にまで影響を及ぼしています。より充実した人生後半戦を送るためにはこれらの空間を見直し、再構成することが必要です。
人生100年時代といわれる昨今、100年の間に時代は変わり空間も変わっています。過去は頭の中の仮想空間で現在は物理的空間です。大切なのは現在の空間が自分に適しているかです。適していない部分を単に変えるだけではなく、影響のある部分まで見越して変える必要があります。
過去も未来も頭の中の仮想空間に描いて考えるのですが、ときに現在の状況も自分の都合の良いように頭の中の仮想空間に描いてしまいます。これでは現実逃避になってしまい、現在の区間認識を誤ってしまいます。人生後半戦はこの傾向が強くなりますので注意が必要です。
人間は物理的な空間で生きているだけではなく、仮想的な空間でも生きているのです。
仮想的な空間を物理的な空間に変える方法
まず物理的な空間を変えるには2つの方法が必要です。
1.物理的な空間を構成している物体を得る方法
2.物体間の移動する力(エネルギー)を得る方法
次に仮想的な空間を変えるにも2つの方法が必要です。
3.仮想的な空間のもととなる情報を更新する方法
4.情報を構成する力がない時に他の力を借りる方法
仮想的空間を物理的空間に変えるには「行動力」が必要です。行動力を得るための方法は千差万別ですので試行錯誤が必要です。行動力は質より数です。