コアモデル~人生をバランスで考える思考法

「人生は10%が自分に起こること、そして90%がそれに対して自分がどう反応するかで決まる。」ー スウィンドール
「あなたの人生は、あなたの行動によってつくられる。運命ではない。あなたが何をするかによってつくられるのだ。」ー サン=テグジュペリ
「コア」で考える
「ワイヤーモデル」が日常の時間、「ソリッドモデル」が循環する時間を対象にしていることを解説してきました。今回の「コアモデル」は、人生で最も長い時間である「生涯」を時間の流れと1つの区切りとして対象にします。
同じ正四面体を基にしたテトラモデルですが、「コアモデル」の構造の捉え方も異なります。コアモデルは、正四面体の重心(中心)の位置を5つめの「点」とします。この5つめの点の位置に「コア(核)」を配置します。4つの頂点の位置には「サテライト(衛星)」を配置します。
コアとサテライトには、ワイヤーモデルで配置した点よりも大きな透明の球体を配置します。コアとサテライトは軸で結ばれます。この軸は情報交換ルートでありながら、伸縮する軸です。コアと4つのサテライトは等距離にありますので、コアモデル全体の大きさは変動します。
「サテライト」とは
「サテライト」には、人生で必要な4つの要素を選び抜いて配置します。どこから選び抜くかというと、コアには、他の領域で得た思考、ワイヤーモデルとソリッドモデルで得た経験値、外部環境からの情報が、言語化されないまま詰まっています。言語化されたものは記憶領域にありますから、必要に応じて移行してきます。
コアモデルは自分自身であり、過去の記憶と経験値、現時点の5つ「意」、そして行動範囲から得られる外部情報を組み合わせて、未来の自分をビジョン化した実体のないエネルギーだけの存在です。このエネルギーを源泉として、コアとサテライトを結ぶ軸において求心力と遠心力のバランスコントロールが行われます。
これだけでは、説明するのも理解するのも難しいので、ワイヤーモデル、ソリッドモデルで例としたワークライフバランスと「仕事、生活、健康、お金」を用います。コア(自分)、4つのサテライト(仕事、生活、健康、お金)、軸(求心力と遠心力)、時間(人生、生涯)です。
「時間経過」で変化する「コア」
コアに「自分」を、4つのサテライトに「仕事、生活、健康、お金」を配置します。コアとサテライトをつなぐ「軸」には求心力と遠心力が働いています。コアモデルの基本は、これらすべてがバランスの取れている状態です。
この状態から「時間」が経過するとコア、サテライト、軸に変化が生じます。「自分」の変化とは、コアの大きさや形状の変化となって表れます。すべてのことを自分だけで行うことにより、求心力が高まり膨張していき、限界を超える肥大化をします。
または、サテライトの遠心力によりコアが矮小化することもあります。球体ではなく歪な形状になったり、突然の外部からの影響で欠損することもあります。外圧、内圧の影響を極力少なくするためには、サテライトとのコミュニケーションと確たる「自己」が必要になります。
求心力と遠心力
4つのサテライトには、ソリッドモデルで説明したように、あらゆる要素が含まれています。コアとの違いは、外部からの影響をコアよりも受けやすいことです。影響とは悪い影響ではなく、良い影響もあります。サテライト独自で判断できることもあれば、コアや他のサテライトの影響も考慮する必要があります。
1つのサテライトが影響を受けることもあれば、複数のサテライトが影響を受けることもあります。その影響の受け方が片寄れば、遠心と求心力のバランスが取れずに、コアは強い方に引き寄せられます。軸は伸縮性があるので、一時的には持ちこたえることは可能です。
このような状態でバランスを取るには、すべてのサテライトを等距離になるように軸の長さの調整を行います。遠く離れたサテライトを引き寄せるか、近くに寄り過ぎたサテライトを遠ざけるかはその時の状況にもよります。
「バランス」をとる
例えば、仕事が忙しくなったときには、「仕事」のサテライトが遠ざかります。コアは仕事の遠心力により他のサテライトとのバランスが悪くなります。仕事が忙しくなり、収入が増えると「お金」のサテライトも同調して遠心力が働き遠ざかることが可能です。
「生活」のサテライトは、生活時間の減少を収入の増加で補うことを前提に、仕事の遠心力に同調して遠ざかることが可能です。ところが「健康」のサテライトだけは、これらの遠心力とは逆に、肉体的、精神的負担があり、仕事の遠心力に同調できません。
このときコア(自分)の動きは、「健康」のサテライトが同調するように、「お金」と「生活」からのエネルギーを「健康」に振り分けます。これによってサテライトの遠心力のバランスをとることができます。
実際には「健康」のサテライトに、「我慢、無理、頑張り」を強いてしまい、遠距離によるバランスを取ることが多いのではないでしょうか。そして、伸縮性の限界が来た時に「健康」のサテライトは分離し、コアモデルは成立しなくなります。
イメージとして理解できたでしょうか。人生にはいろいろな局面があります。長期の時間の流れ、区切りに例えると、同じような経験をしたことがあると思います。第2部ではこのような例を、私の体験と見聞きした経験を通して取り上げていきます。
