ワイヤーモデル~日常のためのシンプルな思考法

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「もっとも単純な答えは、もっとも正しいことが多い。」- オッカム
「人間は自分が考えている通りの人間になる。」- E・ナイチンゲール

「点」と「線」で考える

ワイヤーモデルはテトラモデルの中で最もシンプルなモデルで、「点と線」で構成されます。「点」は線が交差する位置ではなく、独立した要素となります。「線」は点と点を繋ぐ関係性を表します。イメージでは「点」は小さな球体、「線」は球体より細い直線になります。

「点」は正四面体の頂点の位置に配置し、「線」は6つの辺の位置に配置します。ワイヤーモデルには点と線で構成される「面」はありません。内部は空間になり、点は線を通じての相互関係を保ちます。点と点の関係は常に1対1になります。

「点」が持つ要素には、記憶領域から移行する内部情報としての5つの「意」、行動する環境から得られる新たな外部情報があります。内部情報は過去情報、外部情報は現在情報となります。この2つが合わさり、行動の先にある予知情報となります。

日常の時間の思考

テトラモデルで重要になるのは「時間」の概念です。時間には始まりと終わりの時を刻む「時刻」と時と時の間を表す「時間」があります。前者を「time stamp(印)」、後者を「time span(間)」と考えると分かりやすいでしょう。

過去、現在、未来と分ける考え方は、時間の経過を伴って変化する、または変化しないを目的とします。点と点の関係を時間の経過で考えます。同じ時間でも、一定の時間を区切って、その時間に変化する、または変化しないと考えることもできます。これらの違いは、時間を流れとして考えるか、流れではなく固定して考えるかという違いがあります。

ワイヤーモデルでは、シンプルな構造ですので、時間を長期的な流れとして捉えるよりも、一定の区切られた時間の中での行動に適しています。時間の区切り方は、どのような行動に対してワイヤーモデルで考えるかによって異なります。ここでは共通性の高い「1日」という日常の時間の流れにワイヤーモデルを適用します。

3点思考とは

日常的に考えるのは限られた資源の使い方です。特に「仕事と生活」はワークライフバランスとして考えることが多いと思います。日本ではワークライフバランスを「仕事と生活の調和」とするようですが、実際には、天秤やシーソーのような左右の「均衡」で説明します。

ワイヤーモデルに仕事と生活を配置すると2つの点への配置でとどまります。あと2つを配置することで、左右だけではなく、安定したバランスを考えることができます。例えば「健康」を加え、テトラ(正四面体)の3点に配置します。

最後の1点を自分の視点とします。自分の視点を頂点に配置すると、俯瞰するメタ認知の視点になります。このようにして考えると、「仕事と生活はどのように健康に影響しているか」という視点になります。「1日」という単位で考えると、「すぐにできること」から始めるという考えにならないでしょうか。

4点思考とは

前述の3つの頂点に配置する考え方を「3点思考」とします。3点思考では、自分が客観的に見ているようで、自分の主観が入ります。「すぐにできること」は主観により「明日からにしよう」になってしまいます。このように考えている自分に対する判定を下すには、3点思考のワイヤーモデルの外側から見ている客観的な自分の存在が必要です。

3点思考のワイヤーモデルから「自分」を除き、「お金」に要素を変えることによって「4点思考」の本来のワイヤーモデルによる思考に変わります。「仕事、生活、健康、お金」のバランスをとるとどのような考え方が浮かぶでしょうか。

「お金」をかけられないのであれば、「帰宅するときは歩いて帰ろう」になるかもしれませんし、「夕食は健康に良いものを食べよう」とお金の使い方が変わるかもしれません。どちらにしても、一日という範囲内で行動を起こし、実際の結果として残る思考です。

いつでも、どこでも

日常には、その日、その場で考えること、考えなければならないことがあります。にもかかわらず、前例踏襲、生活習慣などのように、考えることを止めていることも多くあります。いつか立ち止まって考えるときは、なんらかの不都合、不具合が起きてからではなく、日々の行動の中でも考えることができます。

ワイヤーモデルはシンプルですので、頭の中にイメージすることで、いつでも、どこでも用いることができます。いつもと違うのは、二項対立でパターン化するのでもなく、十字マトリックスのように論理的整合性で時間をかける必要もないことが特徴です。

どのような要素を選ぶかは、試行錯誤で自分で決めなければなりません。他の人が決めた4つの要素によるワイヤーモデルは、決めた人に最適化されています。ただし、試してみて、自分には適さない要素だと気づくことも大切です。

ワイヤーモデルを理解するためには、他の領域との連携、要素の動的な配置、ソリッドモデルとの関係などがあります。これらについては、第2部の「実践と未来」にて取り上げます。