イントロダクション ~ 「シンプルワイズ」始めます

シンプルワイズとは「シンプル + ワイズ」

 

「シンプルワイズ」とは「シンプル+ワイズ」、すなわち「シンプル(simple)」が意味する「簡素さ、容易さ」と、「ワイズ(wise)」が意味する「賢明さ、思慮深さ」を組み合わせた造語です。

私たち日本人が日常で使う「シンプル」はカタカナ語として使われ、概ね前述の「簡素さ、容易さ」を意味するものの、美的センスを合わせた「オシャレさ」の意味を含んでいます。

その一方で、過度のシンプルさは「単純な、貧相な」という肯定的な意味ではなく、むしろ否定的な意味で使われることもあります。文脈の前後関係で意味も変わってくることがあります。

「シンプル」はモノのデザインや組み合わせだけではなく、考え方においても使われます。「シンプルな考え」のように使う場合は2つの意味あいが考えられます。

1)よく考えられて、簡素にわかりやすくまとまっている
2)単純思考であり、あまり考えられておらず適切ではない

このように「シンプル」は考えた結果だけではなく、結果に至るまでの過程も含まれます。上記の1)の意味を強めるのが、「ワイズ」の意味する「賢明さ、思慮深い」です。

このサイトでは、結果がシンプルであるという表現方法だけではなく、シンプルに至るまでの情報収集、試行錯誤、取捨選択など幅広く取り上げていきます。

 

 

人生後半戦のシンプルワイズ

 

まずとりあげたいのが「人生後半」ではなく「人生後半”戦”」としたことです。年齢で区分を行うのが「人生後半」であり、人生後半に新たなステージ(段階)に上がることを「人生後半”戦”」という意味に含ませています。

「戦」が付いたからといって、戦うわけでも競うわけでもありません。人生後半になっても人生前半の延長と考える人もいますし、人生後半はステージに上がらずのんびり暮らすという考えもあります。

人生前半戦では誰もがステージに上がり、人生後半戦ではステージから降りるという時代から、人生には複数のステージがあり、上がるも降りるも自分次第という時代に変わったのです。

この時代の変化を受け入れることができる人とできない人がいますし、受け入れることができた人が次世代になるとは限りません。ただし、変化が起きているという事実は受け入れるべきです。

人生後半に新たなステージに上がり、人生後半戦という新たなステージを再スタートするか、しないかというシンプルな選択が必要になってきています。

ここで前述のシンプルワイズで説明した情報収集、試行錯誤、取捨選択などを行うことになります。シンプルな選択ほどよく考え、賢明な判断が求められます。

 

 

シンプルに考える方法とは

 

シンプルに考える方法は1つではありません。考える人の意欲、能力、経験、環境、年齢、性別、人種、民族性などなど、多くの要素が絡み合いますので、決して1つの方法にはならないことを肝に銘じましょう。

何もないところから「シンプルに考える」よりも、なにかを手本にして考えたいと思うのは誰でも同じです。シンプルワイズでは常に3つの方法で考えることをお勧めしています。

1つめは「マトリックス」で考えること、2つめは「ツリー」で考えること、3つめは「フロー」で考えることです。それぞれの考え方については、これからの記事で説明していきます。

その前に「考える」とは頭で考えるだけではないことをお話しておきます。手や足を使って考える、他の人と一緒に考える、インターネットやAIを使って考えることもできます。

目的や目標を最初から持つ必要はありません。シンプルに考えるには、いろいろな方法で考え、自分の考えと違う考えにも耳を傾けることで、自然に目的や目標が目の前に現れることもあります。

シンプルに考えるためには、パターンやルール、法則や公式にこだわりがちですが、これらがシンプルに考えることを邪魔することもあります。シンプルに考えるには頭の中を自由にしておきます。
そのためには、「考える」と同時に「考えるのを止める」ということも大切です。気晴らし、リフレッシュも必要です。

 

 

なぜ、かしこく生きるのか

 

人間には感性と理性があり、共に優劣をつけて使われます。感性は美的感覚や心情を読む力を表し、理性は論理や道理に基づくことを意味します。

また、常に理性や感性が表れるのではなく、同じ人でも感性と理性のバランスがとられている状態が、自分にとっても他の人にとっても良い状態だといえます。

「シンプル」に対しても、感性で反応する人は美的感覚でものごとを判断しますし、理性で反応する人は機能や数量で判断します。同じ感性と理性を持つと共感する一方で、異なる理性や感性に対して否定的になる人もいます。

「かしこく生きる」ためには、感性と理性のバランスをとりながら、自分とは異なった感性や理性の存在を認めることが必要です。「かしこさ」とは自分の感性と理性を失うことなしに、異なる感性や知性を認めることだと思います。

にもかかわらず、人生後半戦になると自分の感性と理性を中心にしてものごとを判断する人が多くなります。自分の感性と理性を中心に置くことでシンプル(単純)に判断しやすいからだと思います。

人間は「かしこく生きる」ことで進化してきました。進化に必要なのは知識だけではなく、知識を使う知恵でもなく、感性と理性による判断です。

 

 

未来は全世界的に高齢社会が通常の社会となっていきます。そのような社会で生きていくためには、できるだけ多くの人が「かしこく生きる」ことが肝要になります。
地球の未来は、人生後半戦を迎えた人がどのように考え、行動するかにかかっています。その1つの方策として「シンプルワイズ – SimpleWize」という考え方があります。

 

高齢社会ではとかく膠着化した状態が取り上げられます。過去のヒトやモノの寿命よりも人間の寿命が長くなっているからかもしれません。また、今までの普遍的な考え方にも寿命が見え始めているのではないでしょうか。