「人生後半戦」をどう生きるか、そのためにはどう考えるべきか

受け身の人生後半から能動的な人生後半戦へ

 

前回までの3つの記事では次のことを述べてきました。

1.時代は変わった、人生も変えなければならない
2.変化に対応するためには、学ばなければならない
3.人生が始まってから終わるまで学びの連続である

今回で「人生後半戦」について考えるのは一段落とします。

「人生後半」と「人生後半戦」は、単なる言葉遊びではなく、計画性において重要な違いがあります。

「人生後半」は、50歳以降の人生を指す一般的な言葉です。この言葉には、何か具体的な目標や計画があるとは限らず、単に年齢的な区分として使われることが多いです。

一方、「人生後半戦」には、人生後半における具体的な目標や計画を持って、積極的に取り組んでいくというニュアンスが含まれています。人生をより充実したものにするために、自分自身を奮い立たせる言葉と言えるでしょう。

つまり、「人生後半」は受け身的な表現である一方、「人生後半戦」は能動的な表現と言えます。

 

50歳から始まる人生後半戦 ~ ブログを始めたきっかけ

 

このように「人生後半」と「人生後半戦」の違いにこだわるようになったのは、高齢者が集う集会に参加したことがきっかけでした。

集会のタイトルは「高齢社会に向けて」という内容でした。その基調講演に当たる主催者側の挨拶の中で「好きで高齢者になったわけではない」という言葉が頭から離れなかったからです。

案の定、集会での発表、発言、質疑応答は、高齢者に何をしてくれるのだという内容が8割、1割が自分たちも変わらなければならないという意見で、残りの1割が揚げ足取りだったように記憶しています。

2時間の予定が3時間余りに延びたにもかかわらず、今となっては記憶に残っていることはわずかです。なにより直感的に、「高齢社会の高齢者が他責、他力の受け身では大変なことになる」と感じことだけが記憶に残っています。

それから、関係する書籍や記事を読み、国や自治体の施策について情報収集し、高齢者が多い団体の講演にも出席しました。数年ではありますが、高齢者中心の地域ボランティアにも参加しました。

なにをかいわんや、高齢者に高齢社会に向けての考え方を説くのを止め、これから高齢者になる人たちに社会を変える動きを伝えようと考えた次第です。

そこで50歳を起点として、50歳以降の人生を充実させたい、自由実させているという方々にお声がけすることを目的にブログを書き始めた次第です。

 

人生計画を立てるには戦略が必要

 

人生を考えるとき、目的や目標、計画と実行、新しいことへの挑戦、好きなことを追求するなど、多くの言葉が繰り返し語られています。

ビジネスやスポーツでも同様の言葉が使われており、その期間は長くても10年です。人生も10年単位で考えるならば、これらの言葉は的を得ていると思います。

人生計画を立てるためには、人生戦略を立てるべきだという考え方があります。私も計画には戦略が必要であると思います。そもそも戦略とは、戦いで勝つための思考法で、戦う相手は受け身の自分自身です。

戦略は机上で考え、現場では戦術を実践するのが常です。しかし、人生戦略では、戦略を考える人と実践する人が常に同じであるという点が、戦いとの大きな違いです。

ビジネスやスポーツでは、リーダーとマネージャーが重要な役割を果たします。しかし、人生においては、リーダーもマネージャーもプレイヤーも自分自身です。

一人で何役もこなすのですから、戦略も計画も何度も練り直さなければならないかもしれません。また考えてばかりで実行できないのでは本末転倒になります。それでも人生は自分のものです。

他の誰のものでもありません。人生後半も同じです。人生後半を充実した生き方をするためには、人生を戦いにたとえて「人生後半戦」として考えてはどうでしょうか。

 

「人生後半戦」の準備、目的と目標、結果と評価

 

「人生後半戦」に向けての準備について

1.自分の情報源を広げる-「新聞・テレビ・知人」だけは最悪、ネット・新刊書・講演会・勉強会を有効利用する
2.ネットの利用を広げる-スマホは単一画面なので情報量が限られる、大きな画面のタブレット、パソコンを利用する
3.デジタルで記録する -コピペ(コピー&ペースト)を使う、手書きは忘れたときのために、コピペは忘れてもいいように
4.情報の精度を高める -数字で比較する、数字は本物か、誰が言っているのか、言わされているかを常に考える

「人生後半戦」の目的と目標について

5.目標よりも目的が重要-「どうありたい・どうしたい」よりも「なんのために」を忘れないようにし、目標は短期で考える
6.戦略は単語で考える -目的を達成るために必要なことを単語で表す、計画を立てるときに単語を組み立てて文にする
7.計画と予定の違い  -計画は実行する順番、予定は順番に日付・時間を入れること、ToDoリストで実行チェックする

「人生後半戦」の結果と評価について

8.結果がすべてではない-結果よりも実行したことに意義を見出す、やりたいこととできることを同じ次元で考えない
9.新しいことに挑戦する-過去を振り返りやり残したことを見直したうえで新しいことに挑戦する、挑戦には成功も失敗もある、挑戦の仕方と諦めの両方を考える
10.好きなことを行う  -「好きなこと」と「やらなければならないこと」、「やりたいこと」と「できること」のバランスをとること
11.時間は限られている -人生後半はいつ終わるかわからない、時間は平等だからこそ時間をうまく使うことが重要、70%の満足を繰り返す

 

「シンプルに考える」に続く

 

当ブログ「シンプルワイズ」のテーマは「人生後半戦は シンプルに考え かしこく生きる」です。今月は最初の「人生後半戦」について取り上げました。

私自身が人生後半に入って気づいたことは、1番目は体力が落ちてきたこと、2番目に、持続力と集中力が低下してきたことです。

思考力は落ちたと思いたくはないのですが、やはり頭の切り替え、機転が利かないなど、感じることはあります。

そして両親の介護、その後は自分自身の健康問題と、人生後半の様々な症状と出来事を体験しています。

令和4年の簡易生命表によれば、50歳時点の余命は男性32.5歳、女性 38.1歳だそうです。今まで生きて生きた時間よりも残り時間が短くなってきたことを身に染みて感じます。

年齢を重ねるにつれ、体力よりも思考力の衰えが気になりだしました。健康寿命とは意識調査の集計で科学的な統計ではありません。しかし、平均寿命よりも高くなることはありませんので、思考力の健康にも気を使うようになりました。

その結果、人生は多難であっても、難しく考えるより、シンプルに考えた方が、残りの人生が生きやすいのではないかという結論に達したわけです。

次回から2つめのテーマである「シンプルに考える」について取り上げたいと思います。

 

 

Name

むずかしいことを やさしく
やさしいことを ふかく
ふかいことを ゆかいに
ゆかいなことを まじめに書くこと

井上ひさし