私が「人生後半戦の老化と健康について」を「シンプルに考える」を応用した例です。一人で考えたときの手順ですが、チームでも考える場合もほぼ同じです。
ひとりブレーンストーミングを行う
まず情報を「ひとりブレインストーミング」で書き出します。まず「老化と健康」について、それぞれのキーワードを考えます。
老化:
身体的変化・認知症・病気・死・社会的変化・経済的不安・孤独・無気力・生活習慣・介護
健康:
病気・けが・自立・運動・認知症・栄養・心・社会参加・人間関係・生きがい
文章よりも単語で書き出すほうが短時間で行うことができます。また思いつき、適切でなくても書き出して、後で削除するようにします。マインドマップなどのツールを使うのも良い方法です。
「シンプルに考える」で抽出した情報を分類する
分類はロジックツリーやマトリックスを使って視覚的に行います。このときにMECE(モレなくダブりなく)のチェックを行います。上記の例では「病気」と「認知症」が老化の健康の両方に含まれています。
老化と健康/個人的と社会的のマトリックス
A)老化と個人的:身体的変化、認知症、病気、死、孤独、無気力、生活習慣、介護
B)老化と社会的:社会的変化、
C)健康と個人的:病気、けが、自立、運動、認知症、栄養、心、生きがい
D)健康と社会的:社会参加、人間関係
老化と健康/身体的と精神的のマトリックス
A)老化と身体的:身体的変化、病気、生活習慣、介護、死
B)老化と精神的:認知症、孤独、無気力、社会的変化、経済的不安
C)健康と身体的:運動、栄養、自立、病気、けが、認知症
D)健康と精神的:心、社会参加、人間関係、生きがい
「病気」と「認知症」は、老化では個人的に、健康では身体的に分類しています。これはMECEで言われるダブリなのか、それとも視点の違いなのかという考察ができます。
自分がどの分類に関心があるかによって、結論が異なります。例えば、私は心臓に持病があるので、「個人的で身体的な病気、特に心疾患に関して再発防止を行う」というのが結論になりました。
「シンプルに考える」の結論から試行を繰り返す
私の場合、最初の結論は「個人的で身体的な病気、特に心疾患に関して再発防止を行う」でした。
考察の最初は、自分が経験した症状と治療を時系列で書き出しました。次に、インターネット上の数値化されたデータを収集しました。
その結果、50歳を超えると心疾患が癌の次に多い死因となり、心不全または脳血管疾患になる可能性があることもわかりました。心不全は安定期と憎悪期を繰り返し、その対策が必要でした。
2回目の「シンプルに考える」を行い、結論は「病院との連携の強化を行う」でした。検査と投薬、心臓リハビリー、家庭用健康機器による記録などを行い、発作を起こした時の緊急時の対応も準備しています。
3回目の結論は、家庭での心不全対策で、慢性安定期を維持することでした。これでは行動に移す結論にはなりませんので、「睡眠時間と睡眠の質を向上させる、食事は減塩とバランスに注意する、運動は2日1回のウォーキングを行う」にしました。
年に2、3回(夏と冬)に「シンプルに考える」を実行し、その旅に結論をGoogleカレンダーの定期的な予定で表示するようにしています。このようにして「心臓疾患の再発防止ができる」ようになりました。
目標と結果、目的と成果という考え方
「シンプルに考え、考えた結果で動機づけをし、試しに行動してみる」というところまでお話ししました。ではこの場合の「結果」とはなんでしょうか。
「老化と健康」をシンプルに考えたときに、私の場合は「これからの人生と持病」が重要で、しかも緊急を要することでした。
そして、病気の特性から考えて、完治よりも現状維持となる寛解を目的とすることにしました。目標は1日の塩分量であったり、2日に1回行う1時間のウォーキングのように数値で示します。
目標は達成できたか、できなかったが明確にわかります。一方の目的の場合は行動している限りまったく達成できないということはありません。
特に健康管理のような無期限の行動は、結果よりは成果が出ているかどうかで判断します。私の場合は主観的に70%程度の成果が達成できるようにしています。
達成率を目標とするのではなく、評価を70%程度にすることで、健康管理に重要な「無理しない」に注意しています。
セルフマネジメントでは、目標と結果という考え方よりも、目的と成果という考え方をすることも大切です。なぜなら、目標を達成できなかった時のストレスが和らぐからです。
人生後半戦のセルフマネジメント
当ブログ「シンプルワイズ」はシンプルとワイズを組み合わせた造語です。テーマは「人生後半戦は シンプルに考え かしこく生きる」です。
ブログを始めるにあたって、なにをどのように書けばよいのか迷っていた時期もありましたが、あらためて考えてみると、結論に当たるのは「人生後半戦のセルフマネジメントを行う」になります。
最初から完成形のブログを目指すのではなく、試しに始めてみて、頭の中が整理できました。来月3月のブログは「かしこく生きる」についてです。
実際に行動に移してきたことを例にして、「かしこさとは?」「生きるとは?」につていお話しします。
それでも自分の病気の例をあげたのは、一度、「死」を意識して人生は劇的に変わった。
悠長に考えている時間がないということが身に沁みてわかった。
時間をかけて考えても、シンプルに考える方法さえ間違えなければ、短い時間で考えても、
そんなに結論に差はない。差が出るのは動機づけができるかだ。
動機づけさえできれば、あとはやるしかない。
ただなんでもやればいいっていうもんじゃないので、そのことはお忘れなきよう。